子供の頃に習う




こんにちは、タチバナです。

今回からコミュニケーションの基礎について書いていきます。

まずは基本中の基本となる、これを覚えてください。

「自分がしてもらって嬉しいことは人にもして、されて嫌なことは人にはしない」。

幼稚園か小学校で習ったルールですが、これが実はメチャメチャ重要なんです。

返報性の原理を活用しよう

「小さな子供の頃に習ったことなんて、使えるの?」
と思うかもしれませんが、使えるとか使えないとか、そういうレベルの話ではないです。

これができない人は間違いなくコミュニケーション下手です。

なぜならこれが人と人とが付き合っていく上での基本ルールだからです。
当然、社会もこのルールの上に成り立っています。

人と仲良くなりたい、上手くやっていきたいと思ったら相手が欲することをしてあげるのが距離を縮める最短ルートです。

例えば自分が道に迷って困っているときに、道行く人が親切に道を教えてくれたらすごく嬉しいじゃないですか。

僕も営業マン時代に、地図を片手にアポイント先の企業を探していたのですが、全然見つからなかったことがありました(その頃スマホのナビなんてものはありません)。
どうしても見つからなくて途方に暮れていたら、通りかかった壮年の女性が声をかけてくださって、その企業までの道を丁寧に教えてくださいました。
そして何とか時間ギリギリでアポイントに間に合った、ということがありました。
あの時はあの女性は神だ!ってくらい感謝しましたね。
もしまたお会いすることがあったら丁寧にお礼を申し上げたい、と。

このことからも分かるように、相手が喜ぶことをしてあげると相手はこちらに対して何か恩返しをしたい、という気持ちを抱くようになるんですね。

これは心理学用語で返報性の原理と呼ばれる現象です。
日本のことわざでも「情けは人の為ならず」と言いますよね。

そして、相手から好意的な態度で接してもらうと、こちらも好意的な態度で接したくなるという現象を好意の返報性と呼びます。

これは恋愛やセールスにも使えるテクニックです。

例えば、人伝えで「○○さんが自分のことが好きらしい」、と聞いたら、その人のことが嫌いでない限り、こちらも好意的な印象を持ちますよね。
そしてその人のことが気になったりするんじゃないでしょうか。

セールスでも、営業マンに「御社の商品実は個人的に大好きで、いくつか持っているんです。特に△△はすごい使いやすい上にデザインも秀逸で、新モデルが出たら必ずチェックしています。個人的には□□モデルが最高でした」なんて言われたら、担当者さんもちょっと話を聞いてみるか、という気になります。

ほかにも、SNSでフォロワーや知らない人から「いいね!」をしてもらうと、こちらも返さなきゃ、という気持ちになりますよね。
これも好意の返報性です。

この原理を利用して、相手に私は敵ではなく、むしろ好意を持っていますよ、ということを伝えるのが人と仲良くなるセオリーです。

ここで一つ注意して頂きたいのが、過剰な好意的サービスをすると逆効果になります。
ストーカーなども、好意的な行動が行き過ぎた結果、なってしまったというケースが多いです。

覚えておいてください。

ところで、返報性の原理はマイナスのことにも作用します。

人から悪口を言われたら同じように言い返したくなりますし、嫌がらせをされたらやり返したくなります。
これは敵意の返報性と呼ばれます。

例えば、よくヤンキーものの漫画である描写ですが、自分の学校の不良仲間が他校の不良にボコボコにされたので、その仇討ちに主人公が他校に乗り込む、というシーンを見たことがある人もいるのではないでしょうか。

このように、自分の行いというのは人を介して自分に返ってきます。

子供の頃に教えられた「自分が嫌がることは人にやってはいけません」という教えには、こういう原理が隠されていたんですね。

自分に置き換えて考えるのが基本

好意の返報性

と、心理学用語を用いて説明してきましたが、僕が伝えたいことは要するに、
「何でも自分に置き換えて考えよう」ということです。

自分が相手の状況に立っていたら、どんなことをしてもらったら嬉しいか、逆にどんなことをされたら嫌な気分になるか。

このシンプルな思考を身に着けてください。
そして、行動に困ったらこの考えに戻って思考してください。

そうすれば自ずと自分がとるべき行動が見えてくるはずです。

これは1対1でも、集団の場合でも同じです。

これができるようになると全く場違いな言動をとることは少なくなります。
いわゆる「空気が読める人」に近づきます。

ただ、そうなると、「じゃあもし自分が万が一間違った行動をしてしまって、相手を不快な気分にさせてしまったら、即嫌われてしまうんじゃないか」と思う方もいると思います。

ですが、明らかに悪意のある行動でない限り、そんな一回の間違いで嫌われる、というケースはまずありません。

それにもし間違ったとしても、相手の反応を見て不快そうな態度や表情をしていたら「ごめん、何か気に障るようなこと言っちゃった?」と謝れば印象は回復できます。

特に初対面のときは、相手はどこまでが平気でどこまでが不快に感じるのか、というラインが分からないので、言葉の選択のミスをしてしまう可能性はやや高いです。
僕も中学の時やっちゃいました(苦笑)。

ちゃんと謝ることができればリカバリーできますので、安心してください。

また、上記のことに関してですが、自分は別にこういうことを言われたりされたりしても平気だけど、他人は違う、というケースもあります。
なので初対面のときはやや慎重に言葉を選んで、相手との距離を詰めるようにしてみてください。

まとめ

  • 自分が相手にした行動が、相手を介して自分に返ってくることを「返報性の原理」と呼ぶ
  • 相手に対して好意的な行動をとると、相手からも好意的な行動が返ってくることを「好意の返報性」と呼ぶ
  • 相手に対して敵意のある行動をとると、相手からも敵意のある行動が返ってくることを「敵意の返報性」と呼ぶ
  • 「相手の立場に立って自分に置き換えて考える」思考を身に着けて、最善の行動を導き出そう

今回は以上です。

お疲れ様でした。